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上信越高原国立公園 日本ロマンチック街道を行くドライブコース
群馬県・長野県
5時間程度
長野県上田市から栃木県日光市を結ぶ「日本ロマンチック街道」。ここは豊かな自然や多くのドイツ的な景観の観光名所に彩られています。
街道沿いには、浅間山大噴火の激しさを今に伝える「鬼押出し(群馬県嬬恋村)」や、高さ3m・幅70mの岩肌から数百条の地下水が白糸のように流れ落ちる「白糸の滝(長野県軽井沢町)」などの名所も多数あり、コース周辺にある温泉に泊まりながら巨樹と名所巡りをするのもおすすめです。
このコースは、公共交通機関でのアクセスが難しい巨樹もあるため、車での訪問をおすすめします。【アクセス】
・車:関越自動車道「月夜野IC」からスポット1「村主の大欅」まで約10分または上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」からスポット6「熊野皇大神社のシナノキ」まで約40分
・電車:JR上越新幹線「上毛高原駅」またはJR北陸新幹線「軽井沢駅」からレンタカー

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・幹周り742cm
・樹 高26m
・樹 齢600年(解説板による)
・保護指定群馬県指定天然記念物
・所在地群馬県利根郡みなかみ町上津
・交 通上越新幹線「上毛高原駅」から2.6km
※駐車スペースあり
スポット1
村主の大欅
群馬県みなかみ町
中部北陸自然歩道にそびえる大ケヤキ
その地域の豊かな自然、歴史や文化に触れ、自然保護に対する意識を高めることを目的として環境省が制定した「中部北陸自然歩道」の一つ「アオと塩原太助のみち」の起点に当たる村主八幡神社に「村主(すぐろ)の大欅(おおけやき)」と呼ばれるケヤキの巨樹があります。
鳥居の脇にそびえるこの大ケヤキは、永く村主八幡神社の御神木として尊重され、明治中期まで、この大ケヤキの下に「和名抄」利根郡四郷の1つ名胡桃(なぐるみ)郷の大宮八幡、村主八幡、小松八幡の三社が相寄り、三社祭りの流鏑馬の神事が行われていたそうです。
大きく張り出した枝やごつごつとしたコブなど、表情豊かなその姿からは、村主八幡神社の御神木としてこの地を見守ってきた歴史が感じられます。
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・幹周り947cm
・樹 高27m
・樹 齢1000年以上(解説板による)
・保護指定群馬県県指定天然記念物
・所在地群馬県沼田市井土上町
・交 通関越自動車道「月夜野IC」から約4km
※駐車スペースあり(荘田神社までの道は
途中に道幅が狭いところがあるので
通行に注意してください。)
スポット2
荘田神社の大イチョウ
群馬県沼田市
一面に敷き詰められた黄色い絨毯(じゅうたん)
村主八幡神社から車で国道17号月夜野バイパスを沼田市方面へ向かい、恩田町の交差点を左折し旧道を奥へ進んでいくと「荘田(しょうだ)神社の大イチョウ」の案内板が立っています。そこから細い道をさらに進んでいくと、周囲を畑に囲まれたほのぼのとした懐かしい景色のなかに荘田神社が見えてきます。その社殿の前に、日の光を浴びて大きく枝を伸ばした「荘田神社の大イチョウ」があります。
幹から十数本もの気根が乳房状に垂れ下がっており、地元では「諏訪の乳イチョウ」とも呼ばれています。秋には一面に黄色い絨毯を敷き詰めたようになり、一層魅力的な姿を見ることができます。
向かう途中に道幅が狭いところがあるので通行に注意してください。
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・幹周り532cm
・樹 高12m
・樹 齢600年(解説板による)
・保護指定群馬県指定天然記念物
・所在地群馬県吾妻郡中之条町市城
・交 通JR吾妻線「市城駅」付近
※サイカチの木の南側に駐車スペースあり
スポット3
中之条のサイカチ
群馬県中之条町
国道沿いの大きな豆の木
国道17号沼田バイパスから日本ロマンチック街道に入り、国道353号線を左折してJR市城駅方面へ向かう途中、道路脇に大きなサイカチの木が現れます。
サイカチは初夏に長さ10~20cmほどの黄緑色のフジのような花をつけ、秋には長さ20~30cmで曲がりくねった灰色の豆をつけるマメ科の植物です。サポニンという泡立つ成分を含んでいることから、かつては馬を洗うために実や莢(さや)を利用していたとか。
この中之条のサイカチは、この木が生えている狩野家の鬼門除の樹木として大切にされてきたそうで、寛保2(1742)年の大水害で被害を受けたと伝えられていますが、衰えは感じられず、今でも毎年大きな莢を枝いっぱいに実らせています。
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スポット4
神代杉(じんだいすぎ)
群馬県東吾妻町
杉の巨木の中からまた杉が?!
県道240号線から県道35号線に入って西へ。途中、槻木(つきのき)の交差点にある「原町の大ケヤキ」を通り過ぎ、日本ロマンチック街道をJR矢倉駅方面へ進むと道路沿いに鳥頭(とっとう)神社の「神代杉(じんだいすぎ)」が姿を現します。杉の巨木に屋根が付けられた不思議な姿にきっと目を奪われることでしょう。
「神代杉」はその昔、日本武尊(やまとたけるのみこと)がお手植えされたと言い伝えられています。すでに枯れていますが、その後も鳥頭神社の氏子によって代々守られ、今にその姿を伝えています。
枯れて空洞になった幹の中には別のスギが生えており、子供のスギが生えているように見えることから、別名「親子杉」とも呼ばれています。この中のスギは約200年前から「神代杉」に何度も植栽を試みた幾多の先人たちの苦労により、ようやく根付いたものと言われています。
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・幹周り752cm
・樹 高36m
・樹 齢1100年(解説板による)
・保護指定群馬県指定天然記念物
・所在地群馬県吾妻郡嬬恋村門貝
・交 通JR吾妻線「万座・鹿沢口駅」より6km
※熊野神社の入口に駐車スペースあり
スポット5
鳴尾の熊野神社大スギ
群馬県嬬恋村
山中にそびえ立つ弘法大師の杖
ロマンチック街道を「神代杉」から西へ。途中、建設中の八ッ場ダムを見下ろすことができる道の駅「八ッ場ふるさと館」の足湯で休憩を取りながらさらに西へ進むこと約32kmの山中に「鳴尾の熊野神社大スギ」があります。
「鳴尾の熊野神社大スギ」は弘法大師(こうぼうだいし)がこの地を訪れて、杖を立てたものに根が生え、逆さに育ったものと言い伝えられています。枝が地面近くまで垂れ下がっている様から「さかさ杉」とも呼ばれています。
また、この大スギは平安時代に盛んだった熊野信仰の、熊野神社の神域にあり、この大スギの下にある大岩や大スギから80mほど登った所にある岩窟には梵字(ぼんじ)が刻まれています。
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・幹周り570cm
・樹 高15m
・樹 齢850年(解説板による)
・保護指定長野県指定天然記念物
・上信越高原国立公園特別地域
・所在地長野県北佐久郡軽井沢町峠町
・交 通北陸新幹線「軽井沢駅」より4.6km
※駐車場あり
スポット6
熊野皇大神社のシナノキ
長野県軽井沢町
県境のパワースポット
「鳴尾の熊野神社大スギ」から、日本ロマンチック街道、鬼押ハイウェーを経由して軽井沢方面へ35km。群馬県と長野県の県境にある熊野皇大神社に「熊野皇大神社のシナノキ」があります。
「熊野皇大神社」は一つの神社でありながら群馬県と長野県に分かれる珍しい神社で、その昔、日本武尊が東国平定の帰りに碓氷峠で濃霧にまかれた際、八咫烏(やたがらす)の道案内によって無事嶺に達することができたことにより熊野の大神を祀ったと伝えられている、人気のパワースポットです。
「熊野皇大神社のシナノキ」は長野県側の熊野皇大神社にあるシナノキの巨木で、「科(シナ)」の語源の「結ぶ・くくる・しばる」から、一廻りすると一年寿命が延びる、シワが一つなくなる、願い事がかなうなど、開運・縁結びの御神木としても有名です。
ちなみに、信濃(今の長野県)には「信濃は科野なり」と言われるほどシナノキ(科の木)が多く生えているそうです。