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    古都の文化財を楽しみながら 巨樹めぐり

    奈良県 奈良公園

    2時間30分程度

     東大寺、春日大社、興福寺など貴重な歴史的文化遺産が数多くみられる奈良公園。古くから多くのシカが生息することでも有名ですが、実は、豊かな自然が残され、数々の巨樹にふれることができます。古都のロマンに思いを馳せながら、奈良公園の歴史を見守ってきた巨樹たちを巡ってみませんか。

    【アクセス】近鉄奈良線「近鉄奈良駅」より徒歩5分/JR「奈良駅」より徒歩20分

  • クロマツ

    ・幹周り354cm
    ・樹 高28m
    ・樹 齢250年(推定)
    ・所在地興福寺国宝館の区画の東北の角

    スポット1

    興福寺国宝館近くのクロマツ

    奈良公園

    奈良公園でいちばん太いクロマツ

     奈良公園内には、黒っぽくて亀の甲羅のように六角形に割れた樹皮が特徴のクロマツがたくさんありますが、いちばん太いのがこの木。江戸時代後期の奈良名所東山一覧之図(1850年頃)には、興福寺や東大寺大仏殿の一帯にクロマツが多く描かれており、当時の人々にも親しまれていたことがうかがえます。木の下には、ムササビが食べた後の、まるでエビフライのような姿になったマツボックリがたくさん落ちています。運が良ければムササビの可愛い顔が見られるかもしれません。

  • クスノキ

    ・幹周り480cm
    ・樹 高26m
    ・樹 齢140年(推定)
    ・所在地飛火野の北側

    スポット2

    クスノキ三兄弟

    奈良公園

    明治天皇ご来臨の記念樹

     明治41(1908)年の陸軍大演習にご臨席された明治天皇がお掛けになった場所に記念植樹されたという3本のクスノキ。3本とも枯れることなく樹勢良く育ち、芝生に映えるのびのびとした姿はまるで森のようです。

  • ナギ

    ・幹周り330cm
    ・樹 高13m
    ・樹 齢500年以上
    ・保護指定県指定天然記念物
    ・所在地春日大社宝物殿の北側

    スポット3

    樹齢500年超えのナギ

    奈良公園

    5世紀以上生きてきた異郷の巨樹

     針葉樹らしからぬ葉を持つナギは、九州や台湾などに自生し、奈良公園では、奈良時代に春日大社に献じられたものが広がったと言われています。ゆっくりと育つ樹種として知られ、この太さでも樹齢は500年以上。ナギは動植物に影響を与える「ナギラクトン」と呼ばれる物質を分泌しているため、シカに食べられないので増えているそうで、春日山には天然記念物のナギ純林もあります。

  • センダン

    ・幹周り450cm
    ・樹 高20m
    ・樹 齢不明
    ・保護指定県指定天然記念物
    ・所在地東大寺東塔跡から東へ100m

    スポット4

    東塔跡近くのセンダン

    奈良公園

    初夏に薄紫の花をつける爽やかな巨樹

     センダンは、古くは墓地に植えられ、邪気を払うと言われていたそうです。5月中旬には、新緑とともに薄紫色の花をたくさんつけた爽やかな姿を見ることができます。先人たちも、その姿を愛でていたのかもしれません。晩秋には、葉を落とした枝先に薄い黄色の実をたくさん付け、野鳥がついばみにやって来ます。シカもこの実が好きなようで、よくこの樹の下でモグモグしています。

  • エノキ

    ・幹周り395cm
    ・樹 高30m
    ・樹 齢不明
    ・保護指定県指定天然記念物
    ・所在地東大寺西大門跡地

    スポット5

    西大門跡のエノキ

    奈良公園

    京街道起点の往来を見守ってきた木

     西大門跡は、隣接する歩道(バス通り沿い)よりも一段高い場所にあるため、歩道からは巨樹の姿が見えず、一見立ち入りもできないようにも見えます。しかし、この場所に一歩足を踏み入れてみると、その静寂さと意外な巨樹の姿に驚かされます。エノキは、目印と憩いの場の提供を目的として、一里塚に多く植えられました。このエノキも、東大寺の「転害門」を起点とする京街道の一里塚に植えられたものと考えられています。どれほど多くの旅人たちが、この木の下を行き交ったのでしょうか。ベンチがあるので、ゆっくりと巨樹と過ごすことができます。