千葉県船橋市「道祖神社のイチョウ」
2017.10
JR総武本線の東船橋駅南口を降り、JR船橋駅方向に線路に沿って歩き、突き当たりを斜め左に曲がって南に少し下った所に、小さな道祖神社があります。そこに、こんもりと船橋市最大級のイチョウの巨樹とタブノキ3本が周囲を睥睨して佇立しています。(左写真)このイチョウの一番の特長は、岩だらけの狭い地に根がむき出しのまま縦横に這いずりまわっていることです。とても窮屈そうです。また、周囲は低い民家ばかりなので遠方からも目立っています。そして、我が家から徒歩5分の所にあり、ほぼ毎日、自転車でイチョウの脇を通過してあちこちに出かけているにもかかわらず、無頓着な私がいました。
私は25年ほど前に福島県小野町の諏訪神社にある樹齢1200年の国の記念物である、翁杉と媼杉の2本の大きな杉を見て、全身が震えるほどの感動を受け、その後、全国の巨樹を見てまわっています。今日、このイチョウを紹介するために、あらためてカメラを構えて向き合った時、大きく樹冠を拡げて頑張っているイチョウに「ごめんね」と頭を下げました。足元に立派な巨樹が鎮座しているにも関わらず遠方のメジャーな巨樹ばかり追いかけている私だからです。今後はこのイチョウとタブノキ(左写真)をいつも意識し、かならず「ありがとう」を言いながら通過しようと思いました。遠い巨樹を見るのもよいですが、若い方は、時間にもお金にも余裕がないということもあるでしょう。でも、スマートフォンで巨樹の画像を見て終わり、じゃあもったいない。バーチャルではなく、ぜひ実物に触れて欲しいですね。足元にも巨樹はあります。
幹周り | 530cm |
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樹高 | 20m |
保護指定 | 船橋市の名木10選 |
所在地 | 所在地 千葉県船橋市東船橋1-31-9 |
交通 | 交通 JR「東船橋駅」から徒歩5分 |
著者 | 渡邉尚義(千葉県在住 全国巨樹・巨木林の会) |