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首賭けイチョウ

2016.9

首賭けイチョウの写真1

首賭(くびか)けイチョウ
 「首賭けイチョウ」、一度聞いたら忘れられない名前です。明治34年頃、日比谷公園交差点脇にあったものを、公園の設計者である本多静六博士が、公園建設のための道路工事で公園内に移植する際、「自分の首にかけても移植させてみせる」と言ったのが名前の由来だそうです。公園のレストラン脇に、すっと立つスマートな姿は、幹の太さと枝々のバランスが美しく、一見するといかにも都会的に見えますが、春夏秋冬いつ来ても、若々しく力強さが漲っています。何だか見ているこちらも自然に元気が溢れてくるような気分になります。

首賭けイチョウの写真2

 それは、公園内で戦前から今日まで、東京に起こった様々な出来事を静かに見つめて生きてきた逞しさと、その時々にイチョウを守ってきた人々の心意気が伝わってくるからなのかもしれません。最近は婚活運アップのパワースポットとして人気が出ているのも、イチョウの歴史に新しい頁を加えているようです。

幹周り650cm
樹高約20m
樹齢推定350年
所在地東京都千代田区 日比谷公園内
交通地下鉄日比谷線「日比谷」下車、徒歩2分
著者尾川 俊宏(東京都在住 全国巨樹・巨木林の会会員)