• 文字サイズ
    を変更する

馬場大門のケヤキ並木

2018.6.1

馬場大門のケヤキ並木の写真1

 馬場大門のケヤキ並木は、東京都府中市にある大國魂(おおくにたま)神社の大鳥居から北側の参道にあります。1924年(大正13年)に国の天然記念物に指定され、ケヤキ並木としては国内唯一の国指定天然記念物です。並木の距離は約500mで、途中、再開発の進む場所にも接していて、街の移り変わりを見守っています。また、京王線府中駅はこの並木の中にあり、駅の階段を降りると、約140本の壮大なケヤキと約40本のイヌシデ等の並木が迎えてくれます。  

 2007年度(平成19年度)に策定された『国指定天然記念物 馬場大門のケヤキ並木 保護管理計画』によると、生育する樹木のうち胸高周囲が 300cm を超える樹木はすべてケヤキで、 最も大きな個体は660cmであると書かれています。

馬場大門のケヤキ並木の写真2

 この場所は、徳川家康が大國魂神社に2条の馬場と並木を寄進したことが始まりで、「馬場」の地名もこの寄進に由来したといわれています。幕末までは馬市も開催されていました。また、この場所にケヤキが植えられたのは、平安時代に前九年の役の戦勝祈願成就のお礼として源義家がケヤキの苗を約1,000本、寄進したのが始まりという伝承があります。  

 府中市は文化財保護法に基づき2007年度(平成19年度)に前出の「保護管理計画」と「保護活用計画」を策定し、2008年度(平成20年度)から毎年巡回点検を行い、必要な対策の実施や見直しを行っているようです。交通量が多い道路の両端に位置しており、これからも人とともに時を刻むための管理方法が計画されているようです。  

 京王線府中駅からすぐの、見に行きやすいところにあります。ぜひ、ケヤキの生命力の強さを感じに行ってみてください。

馬場大門の地図

国指定天然記念物馬場大門のケヤキ並木
幹周り最も大きなケヤキは660cm
樹高最も大きなケヤキは24m
所在地府中市宮町1丁目、府中市宮西町1丁目、府中市寿町1丁目
交通京王線「府中」駅下車すぐ。JR武蔵野線・南武線「府中本町」駅下車徒歩5分
著者野田晴美(樹木医 全国巨樹・巨木林の会会員)