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ムービー

ドローン等により撮影した空から見た巨樹の動画を掲載しています。


  • 猿喰のケヤキ
    2021.3.26

     常磐自動車道高萩ICから西へ、県道22号(北茨城大子線)を袋田の滝方面に向かう途中、茨城県常陸太田市の北部(旧里美村)に「猿喰(さるくい)のケヤキ」があります。猿喰と聞くと恐ろしい響きですが、猿喰とはこの地域の小字名だそうです。
     このケヤキは猿こそ喰らってはいませんが、その根元には苔むした大岩とモミジ(イロハモミジ)の樹を抱え込み、大きく横枝を広げてそびえ立つ威風堂々たるその姿は圧巻です。また、抱え込んだモミジとともに四季折々にみせるみごとな調和は一段と素晴らしく、一見の価値があります。
     昔は、花園方面(北茨城市)から里川集落を通って徳田町方面(常陸太田市)に通じる花園越しの山道が「猿喰のケヤキ」の根元を通っており、このケヤキが格好の休憩場所となっていました。かたわらからは清水が湧き出しており、木陰は往来する人々の疲れを癒やし、心をなごませてくれていたそうです。
     現在、「猿喰のケヤキ」の周りは広場が整備されて東屋も建っており、訪れた人が自由に休憩できるようになっています。
     このケヤキの前に立ち、葉の揺れる音や清水の流れる音に耳を傾けると、心地よさに時間のたつのを忘れてしまいそうです。
     時が過ぎ、通る人がほとんどいなくなった今でも、この「猿喰のケヤキ」は逢いに来る人々を温かく迎え入れてくれているようです。

     なお、動画はYoutube環境省チャンネルで公開しているこちらの動画と同じものです。

    ・幹周り 880cm(解説版より。撮影時の実測値は914cm)
    ・樹 高 23m(解説版より。撮影時の実測値は20m)
    ・樹 齢 約550年(解説版より)
    ・保護指定 茨城県指定天然記念物(平成9(1997)年1月27日指定)
    ・管理者 徳田共有地管理委員会
    ・所在地 茨城県常陸太田市徳田町
    ・交通 常磐自動車道「高萩IC」から車で約45分
    ・撮影日 2020年8月5日(水)~8月6日(木)、9月11日(金)


過去の動画

  • 杉沢の大スギ

     磐越自動車道「船引三春IC」から車で約25分、のどかな里山の風景が広がる二本松市杉沢に、「杉沢の大スギ」※1が地域を見守るように大きく枝を広げそびえています。
     大きく張り出した枝が形作る姿は、長き年月を経て身につけた風格を漂わせており、福島県が行った調査※2では県内随一の幹周りで、日本国内でも、スギの単木としては最大級の大きさを誇っています。
     「杉沢の大スギ」の歴史は古く、1643(寛永20)年に二本松藩主丹羽光重公が領内を巡視の折、樹下に休憩したところこの大スギの見事な姿に感銘を受け、「杉沢の杉」と改め、村名も杉沢村としたものであると伝えられています。
     古くから御神木として大切にされており、地面から高さ9m辺りで分かれた幹の分かれ目に幣帛(へいはく)を納めて信仰し、樹皮は産婦に霊験があると信じられています。また、この大スギが美しい娘と化して旅の若者と出会い、伊勢神宮を参拝したという伝説も語り継がれています。今でも毎年4月に開催される「杉沢の大杉まつり」では巫女舞や大杉太鼓などが披露され、地域の人々に親しまれています。
     大スギの周りは緑地として整備されており、根元には、大スギを一周できる遊歩道が設置されています。樹勢はなお旺盛で、大きく広げた枝を揺らして訪れた人々にさわやかな風を届けてくれています。

     なお、動画はYoutube環境省動画チャンネル(kankyosho)で公開しているこちらの動画と同じものです。

    ※1 本動画では、樹種名をカタカナ表記で「スギ」としておりますが、歴史的な解説や地域の行事等については、解説版の記載や行事の名称に準じて樹種名を漢字で「杉」と表記している場合があります。
    ※2 幹周り、樹高および樹齢は平成28・29年度福島県実施巨木調査結果によります。
    https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/shinrinkankyouzei/kyoboku-top.html

    ・幹周り1,340cm
    ・樹 高40.9m
    ・樹 齢670年
    ・保護指定国指定天然記念物、福島県緑の文化財
    ・所在地福島県二本松市杉沢 字平地内
    ・交 通東北自動車道「二本松IC」から車で約35分
    磐越自動車道「船引三春IC」から車で約25分
    ・撮影日2019年6月4日(火)~6月5日(水)
    ・保護指定国指定天然記念物、福島県緑の文化財

  • 法龍寺のイチョウ

     奥久慈の雄大な自然と名瀑「袋田の滝」で知られる茨城県久慈郡大子(だいご)町。この地にある法龍寺の境内には、銀杏(イチョウ)と榧(カヤ)の巨樹が寄り添って立っています。
     法龍寺は、本願寺の祖・親鸞聖人の孫である如信上人が、その晩年に門弟の乗善房信海(じょうぜんぼうしんかい)に招かれ、1300(正安2)年1月4日に66歳で亡くなるまで滞在していた陸奥国の金沢(現在の茨城県大子町)の地に創建された如信上人の御廟所で、如信上人終焉の地として大子町史跡に指定されています。
     境内に入ると、本堂の向かいにカヤの巨樹、その奥にイチョウの巨木が地面に力強く根を張り、堂々とした姿で立っています。イチョウは、1312(正和元)年、本願寺第三代の覚如上人が如信上人の十三回忌の法要を修した折に植えたと伝えられており、このイチョウの根元には如信上人のお墓があります。また、カヤは、1289(正応2)年、乗善房信海がこの地に草庵を結んだ時に如信上人が手ずから植えたと伝えられており、1997(平成9)年に大子町の天然記念物に指定されました。
     春から夏、青々と茂った葉が風に揺れ、苔に覆われた境内に木漏れ日と優しい風を運ぶ姿や、秋、あざやかに色づいたイチョウの葉が落葉し、モミジなどの紅葉とともに境内を染める姿など、四季を通じて神秘的で美しい景色を見せてくれます。

     なお、動画はYoutube環境省チャンネルで公開しているこちらの動画と同じものです。

    法龍寺の銀杏(イチョウ)
    ・幹周り1,110cm
    (目通り、法龍寺パンフレットより)
    ・樹 高32.5m
    ・樹 齢706年(伝承による)
    ・保護指定なし

    法龍寺の榧(カヤ)
    ・幹周り680cm
    (目通り、法龍寺パンフレットより)
    ・樹 高24m
    ・樹 齢729年(伝承による)
    ・保護指定町指定文化財(天然記念物)

    ・所在地城県久慈郡大子町上金沢1684
    (法龍寺境内)
    ・交通JR水郡線「常陸大子駅」より
    茨城交通バス(盛泉行)にて
    「上金沢」下車100m
    ・撮影日2018年11月7日(水)、18日(日)



  • 安久山の大シイ

     築130年の立派な古民家の裏にまわると、驚くほど大きな巨樹が母屋を守るように立っています。幹周り約1,000cm、高さ約25mの堂々とした姿で、特筆すべきはその板根。地面に力強く根を張り、神秘的な雰囲気が醸し出されています。
     この安久山(あぐやま)の大シイは、代々、平山家によって氏神としてまつられ、大事にされてきました。現在は、市内有数の巨樹として市の天然記念物に指定され、地域の里山保全活動とも連動してその価値にスポットがあたっています。この大シイの裏手には、「映像に残したい日本の里山100選」に選ばれた谷津田風景が広がっており、希少な猛禽類のサシバなどが営巣する貴重な里山となっています。

     なお、動画はYoutube環境省チャンネルで公開しているこちらの動画と同じものです。

    ・幹周り 1,000cm
    ・樹 高 約25m
    ・樹 齢 1,000年(推定)
    ・保護指定 市指定天然記念物
    ・所在地 千葉県匝瑳市(そうさし)安久山197(平山氏宅)
    ・撮影日 2018年7月6日(金)、7月8日(日)



  • 阿寒摩周国立公園 前田一歩園財団の巨樹たち

     前田一歩園は、明治39(1906)年に国有未開地の払い下げを受けて、牧場として開拓されました。初代園主・前田正名氏は湖畔の景観に深い感銘を受け、「この山は、伐る山から観る山にすべきである」と語ったと伝えられ、その精神により巨樹が大切に守られ、今に残されています。なかでも見ごたえがあるのが、ムービーで紹介している「光の森のカツラ」と「湖北の森のミズナラ」と呼ばれる巨樹。普段は非公開ですが、年に数回、観察会等のイベントが行われ、巨樹たちに会いに行くことができます。

     なお、動画はYoutube環境省チャンネルで公開しているこちらの動画と同じものです。

    光の森のカツラ
    ・幹周り600cm
    ・樹 高33m
    ・樹 齢不明
    ・保護指定なし
    ・所在地北海道釧路市阿寒町
    一般財団法人 前田一歩園財団
    「光の森」内

    湖北の森のミズナラ3本
    ・幹周り535cm/470cm/310cm
    ・樹 高不明
    ・樹 齢不明
    ・保護指定なし
    ・所在地北海道釧路市阿寒町
    一般財団法人 前田一歩園財団
    「湖北の森」内
    ・撮影日2017年11月7日(火)~11月8日(水)

  • 西善寺のコミネカエデ

    地元で「はちばんさん」と呼ばれて親しまれている秩父札所8番の西善寺に、推定樹齢約600年、幹周り375cmの、美しいカエデがあります。西善寺は寛正元(1460)年に開山した歴史ある寺院で、開山当時まだ若木だったカエデは、その歴史を見守りながら生長してきたのでしょう。カエデの仲間としてはめずらしい広々とした樹幹は、静かな境内で威厳に満ちた姿を見せています。毎年、11月中旬から12月のはじめにかけて、紅や黄色に紅葉した美しい姿を見せてくれます。

     動画には字幕が挿入されています。字幕を表示するためには、動画の再生開始後、マウスポインタを動画に合わせると右下に表示される「字幕」ボタンを押してください。なお、動画はYoutube環境省チャンネルで公開しているこちらの動画と同じものです。

    ・幹周り375cm
    ・樹 高8.5m
    ・樹 齢600年(推定)
    ・保護指定埼玉県指定天然記念物
    ・所在地埼玉県秩父郡横瀬町横瀬598 西善寺境内
    ・交 通西武池袋線「横瀬駅」下車後徒歩約25分
    ・撮影日2017年11月20日(月)

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